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統計学と三菱自動車車両火災

Tuesday, July 6, 2004
[]

 2003年8月8日の朝日新聞に、「少年凶悪犯 10年前の倍」という題の記事が掲載されました。確かに10年前の1993年と比較すれば少年犯罪は増加傾向にあります。しかし、この記事で比較対象に挙げられた1993年における少年犯罪の発生率は戦後最低水準です。逆に、少年凶悪犯罪が最も多発した1950年代と比較すれば、2003年における発生率はその3分の1程度と表現することも可能です。どちらも両極端で、比較対象にするべきではありません。統計データを検証するためには、引き合いに出された数字が全体としての特性を示すものであるか推定値の精度が保証されるのに充分な範囲や個数を検証しているか、といったことが重要になってくるからです。

 テレビでは連日、三菱自動車の車両火災事故が報道されます。しかし、他の車メーカー、例えばトヨタ自動車であったり日産自動車であったりの車両に関してはほとんど報道されません。一日平均どの程度車両火災が起こっているのかということも報道されません。うろ覚えですが、毎日20件程度車両火災は起こっているそうです。消防庁のデータによると、昨年度は7373件の車両火災が報告されているとか。そのうちに三菱自動車が占める割合が特に高いという統計データがあるのかどうか、非常に気になるところです。報道にあきらかな偏りがあるのは事実です。(注目されるようになってからこうもタイミング悪く、車両火災が頻発するようになるとは、ちょっと考えられないので。)

 車両火災の発生原因にはもちろん車両の設計ミスも挙げられるのでしょうが、他にもさまざまな原因が考えられます。三菱自動車の肩を持つ気はさらさらないのですが、こうも目に見えて偏りがあると首をひねってしまいます。

追記:
7月6日付のYahoo!ニュースによると

国土交通省などのまとめでは、全国の車両火災の発生件数は、2002年で8617件(放火事件も含む)。例年1万件近くが発生している。14社ある国内自動車メーカーで単純に割ると、1社当たりの年間発生件数は600件以上。ある三菱自関係者は「こういう状況下では言いにくいが」と前置きした上で、「三菱車が1日1台燃えていたとしても、統計上はおかしくない」と指摘する。

とのこと。こういうデータはもう少し前に出してほしいものです。

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comments

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きよぴん
July 6, 2004 15:52

はじめまして。「三菱車が1日1台燃・・・(略)」の件、車両火災という意味では間違っていませんが、「欠陥車両が出火する」というところでは、再検証の余地ありではないでしょうか?
車両を問わず火災は、放火が非常に大きなウエイトを占めるのですが、これは欠陥とは関係ありません。
そこで、放火・衝突による出火件数を除いてみたら「平均車両出火(放火等は除く)1日1台」ではなく、3日に2台というところですね。
ただ、詳細な統計地が無いんですよね・・・

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晴れ時々曇り
July 6, 2004 16:02

すいません、TBさせていただいたのですが、タイプミスで呼び捨てにしてしまいました。申し訳ありません。
(このコメントを含めて削除していただいて結構です。)
お手数をおかけし、申し訳ありません。

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aki
July 6, 2004 21:56

きよぴんさん、はじめまして。
TB&コメントありがとうございます。
全然気にしないでくださいね(笑)

確かに記事で使用された数値は車両火災全体の件数から単純計算で算出されたものであって、
そのうちの欠陥車両が占める割合というのは明記されていませんね。
消防白書で記されている車両火災の発生件数の総数には、確か鉄道車両も含まれているはずなので、
本来ならそれも差し引く必要があります。
けれど、きよぴんさんが仰るように詳細なデータがなく、国土交通省ですら正確なデータを把握していない現状では、
精密な推定値を算出することはおそらく不可能でしょう。
きよぴんさんが算出した数値より少ないということはまずないでしょうが。
三菱に限らず、企業も人も失敗は隠したがるものですから。

ただ、三菱の自動車が放火されても報道される現状では、
放火件数も含めた車両火災件数で概算するのは必ずしも誤りではないと思うのですがどうでしょう。
欠陥以外の理由で炎上する車両が連日報道される中で、
「燃えているからといって欠陥車だとは限らない」という論理で「欠陥車は燃える」というイメージを払拭するために、
燃えるだけならこれだけの車両が燃えているという例を出したにもとれるように思えるのですが。

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きよぴん
July 6, 2004 23:21

akiさん、こんばんわ。

akiさんの指摘の様に「「欠陥車は燃える」というイメージを払拭するため」にこの記事が書かれていると思います。

自分のほうの記事であまりうまく書けていないのもよくないのですが、記事の方の書き方の問題で、ある三菱自関係者の発言が、
「三菱ふそうでは、「欠陥と車両火災の関連性は薄い」と主張する。」
で、これを補完するように
「欠陥車が原因である車両火災を含んだ車両火災総数を元に、1日1台は統計上ありうる。」

と言っている訳ですが、元記事を書いた記者としては
・(タイトルの)三菱車の火災次々…大半は欠陥と無関係?

を説明するには、三菱ふそうの行っていることの根拠を示すように指摘するか、「「1日1台」の発言は欠陥車が車両火災発生の大小を示すには疑問があるのでは?」と指摘すべきだったのではと感じているところです。
これではニュースソース提供者の意図に完全に乗ってしまっているように感じます。

ところで、今回の欠陥車が起こす問題については、元記事に示されるように「車両火災」と、いわゆる「事故」という問題があるように思います。
前者は「消防庁」ですし、後者は「警察庁」。
統計数値の根拠から違いますので、とても精度の高い結果は得られないでしょうね。

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aki
July 7, 2004 02:47

きよぴんさん、こんばんは。
確かに、結局どの程度欠陥による車両火災が起きているのかということを
「大半は無関係」という曖昧な表現で終わらせているのは新聞記事としては検証が甘いと思います。
取材される側よりも、する側の問題ですね。
そういえば記者には、とても鋭い質問を用意して取材に臨んでも、
とっさに切り返して言及する能力には乏しいという方が比較的多いそうです。
(統計学的な根拠はないと思いますが)
記事としてまとめたいという気持ちがあるので、どうしても批判精神に乏しくなってしまうのだとか。
一つの記事にかけるこのできる時間的制約、そして文字数の制約というのもあるのでしょうが、
「こういう記事が書きたい」という構想が先にあるのも考えものなのでしょうね。

消防庁と警察庁ですか。
根拠が違うとなると比較するのは難しいですね。
電子政府とやらもいまいち使い勝手がよくないし、政府にはもう少し効率化と情報の共有化を図ってもらいたいものです。
消防白書の見難さといったら…。

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泰讃
July 14, 2004 17:52

akiさん、はじめまして。
「漁師のせがれの道楽」の国広泰讃と申します。

これらの統計データと、それに対するマスメディアの報道姿勢。

情報操作と感じてしまうのは自分だけかもしれませんが、こういうことはどんどん公表されるべきであると思います。

データ等引用し、トラックバックさせて頂きたいと思います。

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aki
July 15, 2004 02:05

泰讃さん、はじめまして。
コメント&TBありがとうございます。
三菱自動車の件については、企業としてはあってはならない間違いを犯したのだから、
どんな扱いを受けても仕方のないことなのかもしれませんが、
それを決めるのは少なくともマスメディアではないと私は思っています。
メディアには私たちが自分で判断することができるように、
もう少し客観的な報道をしてほしいと願います。
現状はあまりにも偏りすぎていて、庇うつもりがなくても庇いたくもなってしまって…。

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純従来
July 17, 2004 16:42

いろいろなコメントが出ていますが、
確かに三菱車は燃えすぎていると思います。

まず、消防庁の統計を良く見ると、他の方も
指摘している通り、自動車火災の内、
健全な自動車が出火しているのは600台に
すぎません。原因としてカウントされるべきは内燃機関と電気系だけでしょう。

たとえば、統計には排気管がありますが、これはほとんどが違法改造による燃焼ガス(ガソリン)漏れによる出火です。電気系統も誤改造によるものが多いのですが、これは区別がつかないので、
数にいれておくことにしてもタッタ600件です。
ちなみに、ここ数日報道された三菱車の火災、4件は、
いずれも無改造のエンジンルームからの
出火です。今日なんて、自動車整備業者(プロ!)が
知人と遊びに行く途中の車が火を噴いています。

まして、ベアリングの過熱なんて、項目名すら出てきません。
でも、報道されている三菱ふそうのトラックの出火の多くがここです。ちなみにハブが歪んでも
ベアリングは加熱します。

自動車会社が15社あっても、
シェアは違います。弱小である三菱車は
本来事故件数は単純平均よりははるかに少なくないといけないはずです。

エンジン、電気系統合わせて600件だとしたら
300件はトヨタ系、200件は日産ホンダ系、
残りを他のメーカーで分けないとおかしいですね。
とすると、三菱は年30件もあったら、
もう、火災多発メーカーという事になります。

やっぱり、このメーカーは怖いです。
テストもしないでハブやドライブシャフトを作るメーカーが
フレームをちゃんとテストしているとは思いにくいし。

ついでに書いちゃうと、
闇改修って、どんなにトップが優秀でも、トップだけじゃできないんですよね。
改修するのは現場の整備担当者ですし、その労務管理もありますから、
末端の販社まで、全社一丸とならないと、こんなことはできません。

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aki
July 18, 2004 14:52

純従来さん、こんにちは。
私は、三菱自動車の車が他社に比べて本当に顕著に燃えているのであれば、
それは報道すべきだと思います。
ただし、そのことをきちんと検証した上で報道するならば。
現状の報道ではおそらくそこまでは考えていなくて、
ただ「三菱車が燃えた」「取材しよう」とほとんど条件反射で
取材しているようにしか思えなくて、
それはメディアの姿勢として問題があると思うのです。

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純従来
July 18, 2004 22:50

akiさん、はじめまして。

純従来です。

年30件あったら事故多発メーカーという部分までは
御納得いただいたでしょうか?
本当に車がエンジンルームや走行系から出火するのは
消防庁の統計で年600件。
そして、三菱のシェアから換算すると
三菱車のそれは30件程度であるべきであるという
事です。

でも、ちょっと調べていただくとわかりますが、
6月、7月前半だけで、この数、30件が報道されているんです。
しかもその半分がパジェロで、そのほぼ全数が全焼。
>ただ「三菱車が燃えた」「取材しよう」とほとんど
>条件反射で取材しているようにしか思えなくて、
との事ですが、
これだけ多発しているのであれば、
逆に報道しないほうが問題あるのではないでしょうか

もしも、akiさんが特別な立場にいらっしゃる方だとしたら
そういうご意見をお持ちになる気持ちもわかりますが、
これを統計上の誤差として済ませるのは不可能ですし
一日1台燃えている車というのは
それだけでも十分報道し、国民に周知する必要が
あると思います。

ちなみに、昨日はパジェロ、
今日はマイクロバスがエンジンルームから出火しています。

三菱自動車が、「他社もある」というのなら、
そろそろそれを示すべき時期だと思います。

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こんな分析も
July 22, 2004 19:17

リンク先(直リンはしてません)で、火災要因を機械系トラブルに絞り、且つ、三菱のシェアを加味した1日あたりの期待件数を算出していますが、1.31台/日だそうで。

ttp://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040701

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