ネコソギラジカル(中)赤き政裁 vs. 橙なる種
Thursday, June 16, 2005
[lightnovel, 西尾維新]
上中下巻の中巻なので、中継ぎみたいなお話。だから、好みの展開ではないけれど、単体での評価はできません。サブタイトルはまったく中身を表していません。というか、内容と噛み合っていない。
初めて間をあけてこのシリーズを読んだわけですが、登場人物が多すぎて把握しきれませんでした。登場人物紹介でざっと60人程度紹介されています。この巻にその全員が登場しているわけではないけれど、名前や能力だけが紹介されていたような印象の薄いキャラクターは、記憶の彼方でした。
このシリーズを読んでいて、気持ちが悪いのは、「ぼく」の一人称で書いてありながら、「ぼく」の正体が一番の謎だということ。シリーズとして8巻刊行されているのに、次が最終巻なのに、「ぼく」の本名すら明かされていなくて、そういう不明な存在に拠りながら読むというのは気持ちが悪いです。気持ちが悪いというか何というか、表現しがたい感覚。乙一さんの「夏と花火と私の死体」の死体の一人称のように居心地が悪い。それが強い個性であり、魅力でもあるのですが。
強さのインフレ、過剰のインフレでどうしようもなくなっている印象を受けるのですが、あと1冊でどう収束させるのでしょう。もはやミステリーの面影は微塵もないです。