愚者のエンドロール
Sunday, August 21, 2005
[mystery, 米澤穂信]
米澤穂信さんの「愚者のエンドロール」を読みました。「氷菓」に続く、神山高校古典部のお話。前作がほのかに苦味の残る後味だとしたら、こちらは苦みばしる読後感でした。
文化祭の準備に追われる古典部のメンバーは、先輩に頼まれてクラス製作の自主映画を観ることになった。密室で腕を切り落とされ死んだ少年。誰が、どうやって彼を殺害したのか。真相が明かされないまま、映画は唐突に終わる。そして、提示された映像から結末を導き出してほしいという依頼を受ける。
前作同様、穏やかに日常を描いた文章は心地よかったです。推理の過程ではひっかかる部分がたびたびあったものの、結末まで読むと納得できました。ただ、その結末が好きになれませんでした。ミステリとしては綺麗にまとまっているのですが、人を使う人と人に使われる人とがはっきりとわかれていて、好みの展開ではなかったのが残念でした。最終的に奉太郎だけがほろ苦い思いをしたということで、余計に苦々しく思えてしまったのかも。青春スーツ(ハチミツとクローバー)ではないけれど、自分に対して過剰な自信を持ってしまう時期というのは誰にでもあると思います。その意味においてはとてもストレートな青春小説。